「ちょっと書いてみたけぇ寄ってください」
朝かかってきた電話越しにどこか達成感が滲み出ているお声。
お宅に伺ってみると、長い和紙につらつらと書かれてある文字。
浄土真宗の第八代ご門主、蓮如上人の書かれたお手紙、「御文章(ごぶんしょう)」から「白骨章(はっこつしょう)」が書写されていました。しかも数枚。
「どれがええかね?」
文字の具合の感想を聞かれましたが、上手い下手ではなく、長く慣れないそれを書かれたことを思うと、どれも素晴らしく思え、答えが出ませんでした。
浄土真宗のご門徒様であればお葬儀や法事などで聞かれたことがあると思いますが、人生、命の無常を書かれた「白骨章」。
一枚選別させていただき、額に入れ、7月に専法寺納骨壇の完成記念としてご寄進いただくこととなりました。
誠に有難いことです。
「恥ずかしいけぇ、あまり見えんところに飾ってぇね」
とんでもない。
皆さんによく見ていただけるところに飾らせていただきます。