ドキッとするタイトルで思わず手に取った文庫。
最近はタイトルで買ってしまう癖があり、
特に今回は本屋ですぐに目につき。
明治初めの廃仏毀釈、新仏分離政策についての考察、事実がわかりやすく書かれてあり、
スイスイと完読。
広島でも廃仏毀釈の波があったはずですが、
その影響が大きかった地域と比べて緩やかです。
それは、仏教信仰が高く、特に安芸門徒とも呼ばれるほどの浄土真宗王国だったからこそ、
廃仏のムーブメントは小さかったのでしょう。
歴史の中で宗教は変化し続けています。
特に政治、社会経済の影響も大きく、
現代も変化の最中。
明治の廃仏毀釈によって多くの寺院がなくなりました。
現代も過疎化などで、農村部の寺院が解散、廃寺となっています。
今は第二の寺院存続の危機とも言えます。
廃仏毀釈では寺院やそのお寺の御本尊を守った多くの方々がいらっしゃいました。
受け継いできたものを大切に守りたい一心。
命をかけて守った信仰の対象。
それは、私の命や私の命に繋がる方々を守ることでもあったのだと思います。
今、私たちも守らなければならないものがなくなりそうな時代だからこそ、
受け継いできた文化や習慣は大切にし、
次の世代へしっかりと残していってあげたいものです。